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特色ある学校経営

地域と連携し、豊かな心をはぐくむ取組み

-一宮市立浅井北小学校-

1 はじめに

 本校は、一宮市の北東部に位置し、東側は江南市、北側は木曽川を挟み岐阜県各務原市に隣接している。木曽川をはじめ豊かな自然環境に恵まれ、4月には国の天然記念物であるお囲い堤の桜が、見事に咲き誇る。
本校は、地域と連携し、ホタルの飼育活動や老人福祉施設の訪問等の豊かな体験活動を通して、自然環境を大切にする心や人を思いやる心など、豊かな心をはぐくむ教育活動に取り組んでいる。

 

2 実践の内容

(1) ホタルの飼育活動


ホタルの幼虫をホタル池に放流

 「うわー、とってもきれい」子どもたちが歓声を上げる。毎年6月の夜、児童や保護者、地域の人たち約800名が、中庭のホタル池に集まり、ホタルを観賞する。
本校が、へイケボタルの飼育を始めたのが平成14年で、足かけ9年になる。平成13年のホタル池造成から始まったホタルの飼育活動は、本校の大切な教育活動である。ホタル池の造成にあたっては、保護者、地域、学校の三者の並々ならぬ努力で造られたと聞いている。また、ホタルの飼育については「一宮市平成ホタルの会」のご指導・ご支援をいただきながら、活動を進めてきた。
今年の4月、全校児童が約1センチほどに成長した幼虫の入った容器を手に、「ちゃんとホタルになってね」という願いを込めながら、大切に育てた幼虫をゆっくりとホタル池に放流した。
現在、ホタルの飼育はホタル委員会の児童(4~6年の12名)が中心になって行っている。委員会の時間には、「一宮市平成ホタルの会」の会長さんから指導していただいている。児童の主な活動は、幼虫の上陸セットや産卵セットの設置、えさやり、水換え、ホタル日誌の記録などである。


幼虫の飼育と上陸セット

成虫になったホタルをミズゴケの入った箱で飼い、卵を産ませる。「乾かないように、毎日霧吹きで水を掛けたよ」とAさん。幼虫になってからは、「暑い日には氷を入れ、温度を保ったよ」とBさん。
こうした地味で根気のいる活動を続けているが、長期間飼育したホタルが成虫になり、光を放って宙を舞う姿を見るのは感動的である。
昨年、本校の取組みは、NHKの取材を受け、夕方のテレビ番組「ほっとイブニング」で紹介された。
また、8年前に造成されたホタル池は、へドロの堆積や水漏れを起こし、生き物が生息できる環境維持が難しくなり、池の改修作業を行った。昨年11月から今年の1月まで、作業はすべて保護者や地域の皆さん、高学年の児童のボランティア活動で行った。完成した新しいホタル池は、今までの池より一回り大きくなった。
本校のホタルの飼育活動への取組みに理解と協力をしていただいている「一宮市平成ホタルの会」や保護者、地域の皆さんの力と熱意に感謝するとともに、新しいホタル池で活動を継続できることをうれしく思う。

 

(2) 老人福祉施設の訪問


お年寄りとの交流活動

毎年、全学年が地域にある老人福祉施設を訪問し、お年寄りとの交流活動を行っている。音楽や寸劇、クイズやゲームなどを行ったり、温かい雰囲気でお年寄りと話をしたりしている。会が終わりに近づくと、涙を浮かべて「ありがとう。また来てね」というお年寄りの言葉に、にっこりとほほ笑む子どもの表情が印象的であった。

3 おわりに

ホタルの飼育活動やお年寄りとの交流活動を通して、地域と連携しながら、これからも豊かな心を育てていきたい。
本校の合言葉「ホタルといっしょ、とびかうあいさつ、ぴかぴか笑顔」のような学校づくりを目指していきたい。

(文・写真  水野 俊夫)

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