オリンピック・パラリンピック教育
-扶桑町立扶桑東小学校-
1 はじめに
本校は、町役場、町体育館、扶桑駅等、町の中枢機能の施設を校区に有しており、開校42年目を迎える。心身ともにたくましい、進んで学ぶ「のびっ子」の育成に取り組んでいる。
来年7月、東京2020オリンピック・パラリンピックが開催される。このビッグイベントに盛り上がる中、本校の児童にも、本物に触れ、体験することにより、より多くのことを学んでほしいと考え、愛知県オリンピック・パラリンピック教育推進校に応募し、認定を受けた。
ここでは、その実践の概要について紹介する。
「佐田の海関」と相撲
2 日本の伝統に触れる
毎年名古屋場所の頃になると、扶桑町に境川部屋が宿舎を構える。地域の方々も稽古見学、力士との交流を楽しみにしている。そこに、幕内力士であり、私の教え子である「佐田の海貴士関」が在籍している。本校の児童に本物の力士と相撲の体験をさせたいと依頼したところ快く引き受けてくれた。
幼い頃からの父親へのあこがれ、夢を叶えるために取り組んできたこと、関取を目指して邁進してきた経験談から、児童は目標をもち、努力することの大切さを学んだ。また、全児童が、力士をマットから押し出そうと夢中にぶつかる中で、本物のアスリートのすごさを体感できた。
3 共生社会について学ぶ
「あすチャレ!ジュニアアカデミー」プログラムを活用し、バンクーバーパラリンピックメダリストの馬島誠選手を講師として招いた。
パラスポーツとの出会い、車椅子での生活についての講演から、「他喜力」という言葉を送っていただき、自分を支えてくれる存在に対する感謝の気持ちをもつこと、自分のできることは何かと考えて行動すること、また、自分のためでなく誰かのためにがんばることの大切さを実感した。
車椅子バスケットボールを体験
4 パラスポーツを体験
①車椅子バスケットボール
「社会応援ネットワークパラスポーツ応援プロジェクト」プログラムを活用し、名古屋の「ワールドBBC」に所属する神谷、竹中、竹内3選手を講師として招いた。
選手がボールと車椅子を自在に操る高いテクニックを目の当たりにし、競技の魅力にひかれていった。体験を通して、明るく前向きに活動する選手の姿から、障がいの有無に関わらず、困難を乗り越え前向きな姿勢で生きることの大切さを学んだ。
②ボッチャ
校区にある町体育館で活動している扶桑町総合型地域スポーツクラブ「わっと楽らくスポーツふそう」から、社会スポーツ指導員を招いた。
低学年の児童にも分かりやすく、イラストを活用してパラリンピックの種目を紹介していただいた。また、多くの児童が活動しやすいように簡易のルールにし、小グループ
で行った。児童は、夢中になって楽しく体験し、パラリンピックについての理解を深める活動につながった。
5 おわりに
東京オリンピック・パラリンピックが1年延期となったが、世界各国の選手の活躍や競技の様子について報道されるであろう。
本校では、本年度「NIE実践指定校」として、研究を行う。新聞活用学習においてもオリンピック・パラリンピック教育の実践を積み重ねていきたい。