ライジングサンから しあわせ運ぶ人に
-幸田町立幸田中学校-
1 はじめに
本校は、学校安全に関わる活動を展開している。ここでは、被災地の人々と関わる取組を中心に紹介する。
2 ライジングサンに始まり(令和元年)
(1) 「ライジングサン」誕生
体育大会で全校生徒により披露される全校ダンス。学校の伝統となり、長い間受け継がれてきている。その全校ダンスの曲が、20年以上続いてきた「島唄」から、東日本大震災復興支援チャリティソング「Rising Sun」に変わるところから、全てが始まった。
(2) 釜石東中学校との交流
令和元年の秋も深まった11月。幸田中学校は、幸田町から支援を受け、岩手県の釜石にある釜石東中学校と交流することができた。たまたま、それぞれの学校の全校ダンスの曲が同じだったことがきっかけとなり、交流できる運びとなった。釜石東中学校へは3年生選抜の80名が出かけて行った。震災の地に降り、集めた募金を直接手渡すことができ、ダンス、そして、合唱で交流を深めることもできた。別れ際にずっと手を振っていてくれた釜石東中学校の生徒。でも、交流中に見せてくれた、少し底抜けに笑顔にはなれない様子が気になり、今も頭の隅に引っかかっている。
震災の地 釜石に降りる
3 ライジングサンに終わる(令和2年)
これまでの生活を一変させたコロナウイルス。そんなコロナウイルスに、ライジングサンは立ち向かった。
(1) 熊本への修学旅行
コロナで中止になりそうになった修学旅行。春から秋に延期され、さらに規制緩和とGo Toキャンペーンにより、生徒たちの希望がかない、熊本への修学旅行が実現した。幸田町の姉妹都市である島原市にも宿泊でき、長崎の平和公園と熊本城でライジングサンをダンスすることができた。
20年後に完全復興する熊本城に会いに来ようと誓い、笑顔と元気を届けたライジングサン。ダンスの最後に響いた生徒たちの「心を一つに」、「つなごう未来へ」のかけ声。このかけ声のあの響きが、今でもずっと心の中で響いている。見てくださった方々の拍手は、生徒たちの心に響いていたことだろう。
20年後、熊本にまた来よう!
(2) 後輩がつなげる
先輩の姿を目の当たりにしてきた2年生が、遠隔授業で釜石市のいのちをつなぐ未来館語り部の菊池のどかさんの話を聞くことができた。K子の感想の抜粋である。
先輩方の取り組みや菊池さんの話を通して、私たちのライジングサンの活動はすごいことなんだと改めて感じることができました。これからも先輩方の取り組みを伝えていけるように頑張りたいです。
この後、2年生による釜石市への募金活動が展開された。
4 おわりに(令和3年)
ライジングサンは、まだまだ終わっていない。
11月11日に予定している幸田中学校生き方講演会の講師は、臼井真先生。阪神淡路大震災復興の歌「しあわせ運べるように」の作詞・作曲者。25年以上たった今も、世界中で歌われている。神戸市の市歌にもなった。この歌を、先生の指揮で全校合唱できたらと思っている。生徒たちが、この歌に導かれて、しあわせ運ぶ人に育っていってくれることを願ってやまない。