「みんな一緒」がやっぱり一番! 大規模校の強みを生かした全校行事
-清須市立清洲中学校-
1 はじめに
開校75年目を迎えた本校は、「朝日遺跡ミュージアム」や清須会議でおなじみの清洲城、清洲宿本陣跡が学区内にあり、歴史に名高い地域である。また、JR清洲駅や名鉄新清洲駅、さらには名古屋第二環状自動車道も通っているため、交通も便利である。そのせいか、近年は、新興住宅や他地域から転居してくる家庭も多く、生徒数も増加傾向にあり、現在は、650名を超え、大規模校になりつつある。したがって、この規模では、昨年度、コロナ禍の中で全校生徒が一堂に会することが難しい状況であった。そこで、本稿では、コロナ禍でも教職員も含めた全員のつながりを大切にし、大規模校の強みを生かした教育活動について紹介する。
2 みんなが集まる全校集会
感染の懸念により全校生徒が体育館への入場ができないため、今年度から集会をグラウンドで実施している。また、GIGAスクール構想に伴い、ZOOMを活用しながらも、始業式や生徒会役員任命式など重要な式においては、全校生徒との対面による集会を大事にしている。校長講話での生の発信、生徒会役員自身の緊張感と役員への自覚など、直接、生徒たちの心に響くことを心がけ、さらには全員で場所と時間を共有することで、教職員にも生徒たちにも、大きな集団を実感させながら清洲中学校の一員であるという所属感の共有を目指している。
対面による役員任命式
新しい教育改革が進められている中でも、最新機器では感じることができない大事なものを決して忘れることなく、豊かな心を育んでいきたい。
3 みんなで作った体育祭
昨年度は、学年ごとに分散して開催したが、今年度は「できる限りみんな一緒で」という生徒と教職員の強い思いにより、思い切って全校で開催することにした。大勢の生徒が短時間で楽しめ、なおかつ、仲間との絆を深められるように、例年のような競技会形式ではなく集団競技のみとした。また、どの競技も後輩から先輩へとつなぐリレー形式にし、縦割りを意識させた。さらに、今年度は、「かけ声は一人・間隔は腕の長さ」など感染対策用ルールを決め、大縄跳び「みんなでジャンプ」を復活させた。そして、生徒会の提案により、お祭りのように盛り上がろうと「体育大会」から『体育祭』と名称も工夫した。
後輩から先輩へつなぐ「宅配便リレー」
コロナ禍でつながりをもつことが難しい中でも、一体感のある壮大な体育祭となった。
4 おわりに
緊急事態が発生したことで、教育の真髄、創意工夫した柔軟な考え、生徒たちのパワーに改めて気付かされた。昨年度は、感染症対策によって、卒業式までも分散で行い、全員での活動がほとんどなかった。生徒650名と、教職員50名全員そろってこそ、「チーム清洲中」である。「みんな一緒」がやっぱり一番!これからも、「チーム清洲中」を合い言葉に、大規模校の強みを生かした教育活動を進めていきたい。