伝統を受け継ぎ、未来へつなぐ
-豊山町立新栄小学校-
1 はじめに
令和3年度に創立50周年を迎えた本校は、10年程前までは、全校児童200名前後、全学年単学級が長く続いた小規模の学校であった。「たくましくあってほしい」という願いの下、開校当初から体力づくりに力を入れ、素足運動、薄着運動、一輪車運動、マラソン大会等に長年取り組んできた。また、地域とのつながりも深く、地域に根差した活動も数多く行われてきた。その中で、今回は、時代の流れとともに変化しながらも、現在も受け継がれている教育活動を紹介する。
2 伝統を受け継ぐ「一輪車運動」
昭和58年度、体力づくりの一環として一輪車運動が取り入れられた。記録をたどると、一輪車練習場の設置や講師を招いた講習会、中国雑技団との交流会など、全校を挙げて一輪車運動に取り組んでいた様子が残っている。
颯爽と走る姿に感動!「一輪車リレー」
現在は、100台以上の一輪車が常設され、全校児童が体育の授業や休み時間に練習に取り組んでいる。昇降口に、3級から名人6段までの認定基準が掲示され、毎週木曜日には、5・6年生の一輪車認定委員による技能認定を行っている。認定された児童の名札もあり、全校児童の意欲向上を図っている。
高学年の技能には目を見張るものがあり、運動会で行った一輪車リレーで、一輪車を自由自在に乗りこなし、颯爽と風を切って走る姿は圧巻であった。そんな姿を見て、低学年の児童が一生懸命一輪車の練習に取り組む。本校の伝統が受け継がれる瞬間である。
3 地域を学ぶ「大山川水生生物調査」
本校のすぐ北側に大山川が流れている。毎日の登下校で、児童は橋の上から川の様子を見ることができる。
昭和61年度、郷土を学ぶ学習で、きれいな川を取り戻そうと水生生物調査が始まった。5年生児童が実際に川に入って生物を採取し、水の汚れの程度を調べている。
コロナ禍で、昨年は川に入る活動は行っていないが、講師の先生が採取した生物を観察、分類しながら、大山川の水質の現状について学んでいる。
地域に関心をもち、身近な自然を大切にする貴重な機会となっている。
どんな生き物がいるかな?「水生生物調査」
4 豊かな心を育む「オアシス運動」
平成27年度から、新栄小をよりよい学校にしようと、児童会主催で「オアシス運動」を実施している。「おはよう・ありがとう・しっかり行動・すてきな友達」の頭文字をとって「オアシス運動」と呼んでいる。学期に1回ずつ期間を設け、積極的に挨拶や感謝の気持ちを表したり、友達のよさを見つけたりする活動に全校で取り組んでいる。「ありがとうカード」や「すてきな友達カード」を書き、昼の放送で紹介したり、教室や廊下に掲示したりしている。
互いに認め合い、よりよい人間関係を築くきっかけにもなっており、今後もぜひ継続したい活動である。
5 おわりに
本校は、児童と児童、児童と教師、家庭・地域と学校が信頼で結ばれた学校を目指している。これからも、本校のよき伝統を受け継ぎ、心豊かにたくましく活動できる児童の育成に取り組んでいきたい。