「ふれあい」を軸にした魅力ある学校づくり
刈谷市立小垣江東小学校
1 はじめに
本校は、全校児童230名程の刈谷市内で最も小規模であり、平成30年に特別支援学校が校地内に隣接設置された学校である。本校では、現在、「ふれあい」を軸にした取組を行っている。
2 本校の三つの「ふれあい」
(1) 異学年との「ふれあい」
1年生から6年生までの全学年混成で12のチームをつくり、日々の清掃や遠足、運動会、レク活動等を行っている。そのため、子どもたちは学年に関係なく仲がよい。その関係性を生かし、「学んだことを他学年の子に伝えたい」との意欲の下に展開する授業も本校では多い。子どもたちには、「どうしたら他学年の子に分かってもらえるか・楽しんでもらえるか」と「相手目線」を大切に活動に取り組ませている。そして、相手の満足感が、自己肯定感や自己有用感の育成につながっている。
心を込めて子牛の世話
(2) 動植物や人との「ふれあい」
1年生で「花」を、2年生では「野菜」を育て、3年生では「米作り」を行っている。そして、4年生では「ホタルの飼育」、5年生では「子牛の飼育」、6年生では、「お年寄りや地域の方との交流」と、各学年が動植物や人との「ふれあい」を基に「命の学習」に取り組んでいる。
これらの中でも、小垣江緑水会との連携による3年生の「米作り」は、18年目を、小垣江ホタル会との連携による4年生の「ホタルの飼育」は17年目を、学区の清水牧場との連携による5年生の「子牛の飼育」は24年目を迎える。
「ホタルの飼育」では、幼虫を育て、校内のビオトープに放流する。6月には校内ホタル観賞会を開く。期間中は子どもや保護者、地域の方で毎年大変にぎわっている。子どもたちは、ホタルの飼育活動を通して、命の繊細さを感じるとともに、環境問題にまで目を向けることができている。
「子牛の飼育」では、清水牧場での見学・体験活動を経て、10月中旬から約1か月程度、雌の子牛を借りて飼育する。その中で大切に育てている子牛が、乳牛としての役目を終えると食肉になる現実を子どもたちは知る。すると、「生きている間にいっぱい愛情を注いであげたい」「食べ物をいただくことは命をいただくこと、感謝して食べたい」等の気持ちを抱くようになる。
休み時間に「ふれあい広場」で交流
(3) 特別支援学校との「ふれあい」
本校と特別支援学校は渡り廊下でつながれており、両校の校舎の間には人工芝が敷かれ、ウッドデッキがある。このスペースは、「ふれあい広場」と名付けられ、休み時間にボッチャをしたり、お話をしたりするなど、本校児童と特別支援学校の児童生徒との日常交流の場となっている。また、授業や行事でも一緒に活動している。このようにして子どもたちの障害者理解と心のバリアフリー化が促進されている。
3 おわりに
コロナ禍にあって、密を避ける感染防止対策がとられたことにより、本校の「ふれあい」活動がピンチになった。しかし、“何ができるか” “どうやったらできるか”と全職員一丸となって知恵を絞り、本校の特色を生かせるよう取り組んできた。
今後も本校の魅力ある伝統を大切にし、心豊かにたくましく活動できる児童の育成に尽力していきたい。