法制委員会
本格実施2年目となる教職員評価制度について、引き続き調査研究を行う。教職員の人材育成と能力開発を目指すとともに、学校組織の活性化と教育活動の充実に向けて、教職員評価制度の円滑な実施と定着を図っていく。
また、心身ともに健康で教育活動に専念できる学校運営のため、教職員の勤務時間の適正な管理及び長時間労働による健康障害防止に努める。在校時間等の把握や勤務時間の割振り変更、週休日の振替や時間外勤務等の法的な問題について研究する。
さらに、育児短時間勤務制度や短期介護休暇、育児休業等、仕事と家庭生活の両立支援を推進する様々な制度の適切な運用等について研究し、学校運営上の課題や取り組みについて情報を発信していく。
1 調査研究活動
教職員評価制度の実施状況について、各学校の工夫や課題、校長の意識等について、調査研究を行った。
昨年度は、自己申告・評価シートの目標や達成基準の設定、面談等の実施状況について、本年度は引き続き、それ以後の評価の実施、返却時の面談等について調査した。本調査により、教職員評価制度の実施上の課題が改めて明らかになった。今後の教職員評価制度のより効率的・効果的な実施に向けた一助となることを願っている。
2 法制上の課題研修
週休日の振り替えや勤務時間の割り振り等、勤務時間の適正な管理や長時間労働による健康障害防止等に向けた諸問題、更には最近の法令・規則の改正等による変更点等について研修を深め、情報交換を行った。
教育条件委員会
平成25年度教育予算の編成に向けて、各専門委員会や部会の要望を基に県小中学校長会の総力をあげて陳情活動に取り組んだ。その結果、児童生徒支援対応教員14人増、通級指導教員22人増、特別支援学級対応教員14人増、栄養教諭9人の配置拡大、養護教諭の複数配置の緩和措置などの改善がなされた。また、小学校第2学年及び中学校第1学年で、県独自の35人編制が継続実施された。
一方、給与面において、給与構造改革における経過措置額廃止については、引き続き検討段階となったものの、本年度で5年連続となる厳しい給与抑制を受けている。
今後も、教職員定数の改善を含めた人的措置及び、職責に見合った処遇の改善に向け、積極的に要請をしていく。
教育予算陳情活動として、各委員会や各地区から寄せられた要望、本県及び他県の給与諸手当等の実態調査を基に、平成26年度の教育予算に関する陳情書と陳情説明資料を作成し、県教委・関係県会議員への陳情を行った。
特に今年度は、5年連続となっている給与抑制の解消を強く訴えるとともに、職責に見合った処遇の改善を要請した。更に、加配教員の継続配置と少人数指導の推進、教員定数配当基準による小2・中1の少人数学級の実施と少人数学級の拡充、特別支援教育の充実など、切実な願いや思いを陳情した。
また、研修活動として、退職予定者を対象に、退職手当説明会を実施した。
たいへん厳しい財政状況ではあるが、教育条件を向上させるために、県としての施策を講じてほしいと考えている。
学校経営委員会
学校経営委員会は、東陸・全国研究大会に向けての研究推進と、「生きる力」を育む学校経営に関する研究を継続的に努力目標を掲げて取り組んできている。
本年度は、各研究大会に向けての研究推進を努力目標に掲げ、事前研究や事後報告から、学校経営の在り方について協議を深めるとともに、子どもたちの生きる力を育む学校経営の在り方についての研究協議を進める。併せて、26年度の東陸・全国研究大会への参加体制等の調整も進めていく。
また、子どもの健全育成を図る上で、家庭教育がますます重要視されてきているため、学校と家庭とを結ぶ月刊誌や子どもの学習に役立つ刊行物の編集と普及に努めていく。
1 研究推進活動
東陸小・全連小三重、東陸中・全日中福井の各研究大会に参加し、学校経営の観点から校長の指導力をどう発揮するかについて、研修を深め、事後報告にまとめることができた。
研究大会での発表内容については、地区ごとに事前協議会をもち十分な検討を進めた。その結果、他県の参加者からたくさんの質問や感想をいただき、高い評価を得た。
更に、次年度の東陸小富山、全連小埼玉、東陸中三重、全日中北海道の各研究大会に向けて、参加者の割り振りや連絡調整等、発表の準備を進めた。
2 教育的刊行物の編集と普及推進
学校と家庭の連携が深まるよう、月刊誌や定期刊行物等の編集内容の検討と普及推進活動に努めた。
進路委員会
平成25年度就職・入試の調査結果に基づき、要望活動や対策活動を進めていく。とりわけ、昨年度立ち上がった「愛知県公立高等学校入学者選抜制度の改善に関する検討会議」のまとめに注視し、中学校教育の正常化の観点から、最善の制度改革となるよう努力していく。
1 調査研究活動
○ 進路希望調査と進学・就職状況調査結果の考察
○ 進路に関するアンケート調査に基づく課題の把握
2 要望・対策活動
就職・入試事務の一層の改善を目指しながら、公正かつ円滑な進路指導が支援できるよう関係諸機関との連携強化を図り、課題解決のための要望・協議・調整を進めていく。
1 調査研究活動
「進路指導に関わる諸課題を解決するための実態調査・研究」を主題として、次の調査を行い実態把握に努めた。
○ 平成24年度末、進路に関するアンケート
○ 専修・各種学校、公共職業能力開発施設等への進学状況及び就職状況調査
2 対策活動
調査結果を基に、県教育委員会、公立高等学校長会、県私学協会、県専修学校各種学校連合会、愛知労働局等と課題解決や改善に向けた協議を行った結果、次のような成果を得た。
○ 進路関係事務書類の一層の電子化、手続き等の簡便化
○ 公立入学者選抜制度の在り方の改善
3 次年度に向けて
長期欠席者等にかかる公立高等学校入学者選抜制度の新たな課題を明確にしていく。
保健体育委員会
昨年度から中学校で全面実施となった学習指導要領には「生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化等に親しませ、責任感や連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう留意すること」と示されている。
そこで、本年度は「教育課程との関連を図る運動部活動の在り方の研究」をテーマに県内中学校100校を調査対象校とし、中学校における運動部活動の実態を調査し、その方向性を探る調査研究を進めていく。
研究を進めるに当たっては愛知県教育委員会体育スポーツ課や健康学習課との連携を図りながら、調査研究をまとめていきたい。
学習指導要領の完全実施から2年目を迎え、中学校における運動部活動の適切な指導や運営上の様々な問題への対応が求められている。
そこで、中学校の運動部活動の取り組み状況や問題点を把握し、適切な取り組みの方向を探るための調査研究を行った。
その結果、主な問題点として、専門的な指導者不足や教員の多忙化、大会の参加費や生徒の移送費等の部活動運営費の不足が明らかになった。また、外部指導者の導入によって、指導者不足の解消はできるが、人材確保や謝金不足等の問題点も明らかになった。
今後、運動部活動がより円滑に推進されるためには、公費としての予算化や外部指導者の人材確保、謝金の支給制度を整備する必要がある。また、勤務時間との関係や手当等を含めた条件整備を進めていくことが大切である。
福祉安全委員会
東日本大震災において、甚大な被害が発生し、多くの尊い人命が失われた。また、最近、日本各地で大きな地震が起こっていることを考えても学校における大地震に対する防災教育・防災対策の必要性が高まっている。そこで、昨年度は、大地震や大雨等による災害への対応に関わる防災教育の現状と取り組みについて調査研究してきた。
本年度は、内容をさらに精査し、防災教育の指針となる考え方や様々な実践事例等をまとめ、日常の授業や特別活動等において役立つ防災教育の在り方について提言していきたい。
加えて、教職員の福利厚生の充実と改善を図るため、愛知県教育委員会福利課をはじめとする関係諸機関との連携を図っていく。
東日本大震災以降、大地震発生時に備えて、安全・安心に生活できる学校を目指し、防災教育を推進させること、児童生徒自身の危険に対する意識を高め、自ら判断し身を守る力を向上させることが必要であると考え、2年間にわたり、調査研究を行った。
その結果、防災教育については、各学校において、学校の置かれている状況に応じた様々な活動が進められていることが明らかになった。そして、その中から、児童生徒は体験を通して、また、その積み重ねによって身を守る方法を体得していくものであることも確信できた。
今後は、『研究のまとめ』で紹介した先進的な取り組みを防災教育の参考にして、一人でも多くの命を守ることができるように、学校や地域を中核とした防災教育の取り組みを継続していきたいと考える。
給食委員会
昨年度の調査研究では、各学校の「食育」の取り組み状況を明らかにして、今後より一層推進するための提言をした。
本年度は、「『生きる力』を育む、健康教育の推進と食に関する指導の充実 ~望ましい食生活を目指した学校と家庭との連携~」を研究主題とし、学校における給食指導の状況を把握して、課題を明らかにし、さらなる充実を図るため、次の3点を中心に調査研究を進めていく
○ 学校給食における指導の実態
○ 給食と「食育」について学校と家庭との連携
○ 給食指導での課題
また、各学校の給食指導に生かすように、各地域の特色ある給食指導の実践例を紹介していきたい。
ここ数年、学校現場では、食育の充実とともに、新たな課題が見えてきた。そこで、学校給食の実態を再調査することで、現在の学校給食の課題を明らかにしていこうと考え、「学校における給食指導の状況を把握して課題を明らかにし、更なる充実のための方策を探る」として調査研究を進めた。
今回の調査結果から、食物アレルギーへの対応、人的配置の拡大、家庭との連携、残食減少の取り組みなどの課題が浮かび上がった。
次年度は、今回の調査で特に多くの小中学校から出された3点に課題を絞り、調査研究し学校給食の充実を図りたい。
○ 食物アレルギーの児童生徒への対応の実際について
○ 栄養教諭、学校栄養職員等の人的措置の拡大について
○ 「食」の指導における家庭教育との連携について
生徒指導委員会
学校では、児童生徒の個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高め、将来における自己実現を図っていくための自己指導能力の育成を、目指している。
昨年度は、「今日的な生徒指導の課題への対応」を研究主題として、今日的な生徒指導の課題である、いじめ、不登校、虐待、暴力行為、発達障害、インターネット、携帯電話に関わる諸問題について、県内4分の1の小中学校を対象に調査活動を実施した。本年度は、その結果の分析と研究にあたり、今日的な生徒指導の課題への適切な対応や予防の在り方を示したい。
また、いじめ、虐待、発達障害等の課題に関する研修を行い、その内容を各地区に還元するように努める。
児童生徒が、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高め、将来における自己実現を図っていくための自己指導能力の育成を目指す生徒指導の在り方を追究した。
平成24年度には、調査研究活動として、県内小中学校の25%を対象に、いじめ、不登校、発達障害、携帯電話・インターネット、暴力行為、虐待等に関わる調査を実施した。
平成25年度は、この調査結果の分析と考察を行い、学校事情に応じた児童生徒への適切な対応や予防の在り方を平成26年2月、研究調査報告書としてまとめることができ、県内全校に配付した。
文部科学省から発行された『生徒指導リーフ』とともに、各校長が活用され、生徒指導の充実を図るとともに、学校運営の改善に役立てられることを期待している。
特別支援教育委員会
昨年7月、中教審から「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」が出され、本委員会では、その趣旨や内容の理解を図るとともに、全国特別支援学級設置学校長協会の全国調査に協力する中で、その理念や方向性の実現には、人的・物的な教育環境の整備が不可欠であることを確認したところである。特に、就学先の決定の在り方が見直されることによって、学校現場における新たな課題が想定される。今後どのような就学先決定の流れになるかを注視していきたい。
今後も、全特協をはじめ、関係団体と連携し、各地区校長会の研修に生きる情報収集・提供に努めていきたい。
本年度は、昨年度までの取り組みを踏まえつつ、愛知県特別支援教育研究協議会や愛知県特別支援教育推進連盟と連携し、教育活動の充実や自立と社会参加に向けた啓発を進めた。その中で、東海北陸地区特別支援教育研究大会愛知大会を盛会に終えることができた。また、会員の特別支援教育に対する資質や指導力の向上に向け、県委員を対象に、障害者制度改革の動向についての研修を行い、その内容等の理解を深め、各地区の研修の場において伝達し、共通理解に努めた。
次年度も、特別支援教育の効果的な推進の在り方等についての調査研究を実施していく。また、教育環境整備に向け、関係諸団体と連携を深めるとともに、各地区校長会に対して全国特別支援学級設置学校長協会からの最新の情報を迅速に提供していく。
修学旅行特別委員会
一昨年度、東日本大震災の影響で多くの学校が修学旅行先を変更したが、昨年度はそのほとんどが関東方面へと戻した。しかし、安全に対する配慮はどの学校においてもより一層なされるようになった。本年度も、より安心安全な修学旅行にするために、委員会で検討し、関係諸機関と情報交換を行い、各地区に情報提供していきたい。
1 努力目標
社会の変化に対応する望ましい修学旅行の在り方の研究
2 調査研究活動
県内全中学校を対象とする修学旅行の実施状況調査
3 対策活動
○ 安心安全な修学旅行の実施に向けた情報の把握と周知
○ 修学旅行実態調査から見られる諸問題の検討と改善
近年の修学旅行は、学校におけるキャリア教育の一環として位置付けられ、体験型研修を取り入れたものが主流となっている。また、東日本大震災以降、安全についての配慮も、よりきめ細かく図られるようになってきている。
本委員会では、今年度の修学旅行実態調査の結果を基に、中学生にふさわしい修学旅行先での体験や研修の在り方を検討してきた。また、安全を確保するための首都圏の防災状況の把握や、円滑に修学旅行を行うためのJRや旅行業者との情報交換等も行ってきた。
富士山が世界文化遺産に登録され、東京オリンピック開催が決定した。消費税も段階的に増税となる。こうした社会の変化に対応しつつ、豊かな人間性を育むことのできる有意義な修学旅行の在り方を今後も研究していきたい。
教育課題特別委員会
東日本大震災から、多くの教訓を得ることができた。その教訓を生かし、学校の防災体制を見直すことは急務である。
本委員会では、研究課題を「学校における防災体制の整備・充実に関する研究」として昨年に続いて研究を進め、今後の防災体制の在り方について課題を明らかにしていく。
調査研究活動として、学校の防災体制を充実させるために校内整備を図った取り組み、学校や行政・地域の組織との連携を進めた活動、予算的な措置を必要とする備品や施設の調査などに取り組む。
アンケート調査の実施、分析を行うとともに、先進的な実践例を通して、連携強化や予算要望に関わった提言としてまとめていきたい。
学校における防災体制の整備・充実に関する研究を進めてきた。
東海地震等の被害が想定される本地域では、学校の防災体制を見直し、整備・充実させていくことは急務である。2年目を迎える本委員会では県下54市町村、100校の小中学校の協力を得て、1年次の課題を踏まえた調査を実施した。
学校防災マニュアルや避難・防災訓練の状況と課題、地震発生時における初期や2次対応、教職員の参集体制や児童生徒の安否確認について調査・分析をした。発生後の危機管理としては、校内対策本部の設置や児童生徒の学校待機について、避難所となる場合の協力体制等の調査・分析を実施した。更に、先進的な取り組みや予算的な課題を明らかにし、学校防災マニュアルを見直すことや他機関との連携を強化するように提言した。
広報部会
校長は先見性あるリーダーシップを発揮して、教員全体の力量向上を図り信頼される学校づくりに向けて、力強く取り組んでいかなければならない。広報部会では、名古屋、尾張、三河の全会員の資質向上に資するため、会員・学校・関係諸機関の質の高い教育諸情報を効果的かつ有機的に提供し、校長会活動の一翼を担っていきたい。この方策として、特色ある学校経営や教育活動に活用できる「校長会広報」(知事対談・教育委員長対談の掲載を含む内容)の定期的発行や年度末の「研究集録」の発行、さらには、校長会ホームページの充実を進めていきたい。
学校のトップリーダーを目指す校長会活動の一翼を担うため、会員の学校経営や教育活動に活用できる教育情報の効果的な提供に努めてきた。
『校長会広報』については、本会の活動状況、各種大会の報告をはじめ、「県関係教育情報」「ともに歩む」「私の一冊 座右の銘」など会員の資質向上に資する記事を掲載し、年6回発行した。
一方で、校長会ホームページ上でも閲覧できるように工夫するとともに、資料アーカイブの意味で「ギャラリー」を設置した。
また、各委員会の調査研究や全国・東海北陸地区校長会の研究の動向を『研究集録』にまとめ、全会員・関係諸機関に配付した。