総会
令和8年度総会報告
令和八年度愛知県小中学校長会総会が、五月十九日、Niterra日本特殊陶業市民会館で開催された。
県副知事、県議会副議長、県教育委員会教育長をはじめとする多くの来賓をお迎えする中、役員が満場一致で承認され、加藤広也会長が次のような挨拶をした。
○八十回の歴史の重みを感じながら
今年度、本会は九八九名の校長から成る組織としてスタートしました。本総会は今年で八十回という節目を迎えます。この歴史の重みを前に過去の歩みを紐解きますと、そこには歴代の先輩方の苦悶と情熱の足跡が克明に刻まれていました。どの時代も校長会は教育の最前線に立ち、行政当局や教育関係団体の皆様と緊密な連携を図りながら、今日の「教育立県あいち」の礎を築いてきました。こうして先輩方がつないでこられた心のバトンの重みを深く受け止め、次代へ受け継いでいく決意を新たにしております。現在に目を転じれば、学校における働き方改革や部活動の地域展開、教職の魅力発信、人材育成、不祥事根絶など取り組むべき課題は多岐にわたります。また、多様な子どもたちの深い学びを確かなものにする、質の高い教育活動をいっそう推進していくことが求められています。しかし、これは一朝一夕では成し得るものではなく、日々理想と現実の間で葛藤し、立ち止まることも少なくありません。
○「共に学び 対話を重ね 未来を拓く」
そんなとき、愛読している警察小説に登場する指揮官の姿に自らの理想を重ね合わせます。難事件を解決へと導くそのリーダーシップには、校長職にも通じる四つの要素があります。第一に、しなやかな感性で現場の小さな違和感を大切にし、声なき声に耳を傾けること。第二に、複雑な状況をシンプルに整理し、解決への確かな道筋を指針として示すこと。第三に、迷った時こそ原則原理に立ち返り、その上で自らの信念に基づいて揺るぎない決断を下すこと。そして第四に、柔軟かつ合理的な手法で組織の機動力を最大限に発揮させること。これらはフィクションの話ではありますが、日々困難な判断に直面する私に多くの示唆を与えてくれます。何よりも揺るぎない軸としなやかな柔軟性を兼ね備えたリーダーの姿は、周囲に安心感を与え、信頼を築く礎となります。そんなリーダーに近づきたいと研鑽に励む日々ですが、その資質・能力を一人で磨き続けることは容易ではありません。だからこそ、私は互いの実践や経験を共有し、学び合う場として校長会活動を大切にしたいと考えます。
約四十年前の記念誌に当時の会長がこう記されました。「校長会は、内にあっては現場の責任者としての力量を高め合い、外にあっては国家百年の将来展望に立ち、行政、各団体と協調の心で活発に話し合い、力を蓄えていかなければならない」。この言葉は、本年度のキャッチフレーズ「共に学び 対話を重ね 未来を拓く」に通じる本会の不変なる精神を示すものです。このキャッチフレーズの下、調査研究・対策活動や研修会、そして、率直に情報交換ができる場を積極的に展開してまいります。さらに、これらの活動を基盤に、現場の声を関係機関に届け、教育条件の充実や教育課題の解決に尽力してまいります。
私は、校長という職は、大海原を航海する船の船長のようであると感じています。荒波を乗り越え、最適な航海を続けるための羅針盤となり、苦楽を共にする仲間が集う港となる存在、それこそが校長会活動の意義であると考えます。この港に志を同じくする仲間が集いました。航海の道のりは九八九通りですが、子どもたちの未来という同じ目的地を目指し、共に力強く歩みを進めてまいりましょう。
この秋には、ここ愛知・名古屋においてアジア競技大会・アジアパラ競技大会が開催されます。子どもたちが異文化理解や多様性の尊重を肌で感じる機会であり、「あいちの教育ビジョン2030」の基本理念にもつながる絶好の学びの場となります。こうした好機を生かし、創意と活力に満ちた学校づくりを更に進めていきたいと考えています。
この会長挨拶の後、来賓の御祝辞、前任の副会長への感謝状贈呈、議案審議と議決を行った。その後、合同研修会を開催した。